矯正歯科

顎変形症の矯正治療

サージェリー・ファースト法(自費診療)

サージェリー・ファースト(Surgery First)法は、当院の菅原らの診療チームが世界に先駆けて開発したオリジナルの外科的矯正における新しい治療法です。術前矯正を省略して治療期間を短縮するなど、従来法の欠点を減らし、治療中の患者さんのQOL低下を最小限にした外科的矯正を意味します。治療は以下の様なステップで行います。

手術準備(手術の約1ヵ月前)

術前矯正は行いませんが、現在のところ手術後の顎の位置を安定させるための補助として、マルチブラケット装置の装着が必要です。手術の1ヵ月前に同装置と手術用のアーチワイヤーを装着します。

入院・手術(2〜3週間)

従来法と基本的に変わりはありません。ただし、術前矯正を行っていないため、顎の位置や噛み合わせが不安定になることから、スプリント(マウスピース)の装着が必要になります。また、手術時に術後矯正に必要なミニプレート(SAS)が上・下顎骨に取り付けられます。

術後矯正(6ヵ月〜1.5年)

顎矯正手術によって骨格の不調和は改善された状態になっていますが、噛み合わせや歯並びは治っていないためマルチブラケット装置による矯正治療が必要になります。術後矯正の期間は、比較的歯並びが整っている患者さんの場合は6〜9ヵ月ですが、一般的には1〜1.5年ほど要します。

保定・メインテナンス(5年〜)

従来法に準じて行います。


サージェリーファースト法

図 サージェリー・ファースト法の治療ステップ

サージェリー・ファースト法の利点
  1. 総治療期間が短い(1〜1.5年)。
  2. 治療開始前に手術時期を自分で決められる。
  3. 早期に顔のバランスが整う。
  4. 矯正治療中に容貌と咬合が悪化しない。
  5. 小臼歯非抜歯治療の可能性が高い(SASによる臼歯の後方移動が可能)。
  6. 下顎単独手術で済む可能性が高い(SASによる臼歯の三次元的移動が可能)。
  7. 手術に伴う骨代謝の変化によって手術後の歯の移動が加速する。
  8. 歯をより正確に移動することが可能(SASの適用)。
  9. 低QOL期間が短い。
サージェリー・ファースト法の欠点
  1. 手術後の咬合が不安定。
  2. 手術後の咀嚼機能の回復が遅れる。
  3. 手術後1〜2ヵ月間スプリントが必要。
  4. サージェリー・ファースト法の治療費
サージェリー・ファースト法の治療費

矯正治療、入院・手術ともすべて自費診療になります。概算ですが、矯正治療に約100万円、入院・手術に約100〜150万円、入院・骨固定プレート撤去術に約30万円の費用が必要となります。

◎サージェリー・ファースト法の参考資料
  1. Nagasaka H. Sugawara J. Kawamura H. Nanda R. “Surgery First” Skeletal Class III Correction Using the Skeletal Anchorage System. J Clin Orthod, 2009:XLIII:97-105.
  2. Villegas C. Uribe F. Sugawara J. Nanda R. Expedited Correction of Significant Dentofacial Asymmetry Using a “Surgery First” Approach. J Clin Orthod, 2010:XLIIII:1-7.
  3. Sugawara J. Aymach Z. Nagasaka H. Kawamura H. Nanda R. “Surgery First” Orthognathics to Correct a Skeletal Class II Malocclusion with an Impinging Bite. J Clin Orthod, 2010:XLIV:429-438.
  4. Aymach Z. Sugawara J. Goto S. Nagasaka H. Nanda R. Nonextraction “Surgery First” Treatment of a Skeletal Class III Patient with Severe Maxillary Crowding, J Clin Orthod, 2013:XLIVII:297-304.

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